空き巣とは、住宅に侵入して財産や金品を盗む犯罪です。ニュースでも報じられている通り、最近では空き巣の手口が巧妙かつ凶悪になっており、さまざまな被害が発生しています。金品のみならず、人命が奪われる事態にまで発展しているほどです。

「自分の家は大丈夫」と思っていても、少しの気の緩みや何気ない自宅の環境が空き巣の被害のきっかけになってしまうおそれがあります。被害に遭わないためには、住まいの防犯対策を更に強化していくことが求められます。本記事では、空き巣に狙われやすい家の特徴や有効な防犯対策について解説します。

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空き巣は「一軒家」を狙いやすい

近年、空き巣の手口は巧妙かつ凶悪になっていますが、特に狙われているのは一軒家です。警察庁が発表している「令和５年の刑法犯に関する統計資料」 では、住宅で発生した空き巣の認知件数を場所別にすると以下のようになっています。

場所	認知件数
一戸建住宅	7,981
4階建以上共同住宅	1,288
3階建以上共同住宅	2,519
合計（認知件数）	11,788

住宅で発生した空き巣の70%近くが一戸建てで発生しており、データから見ても一軒家がターゲットにされているということが見て取れます。

特に玄関ドアが狙われやすい

一軒家の中でも、特に玄関ドアは狙われやすくなっています。

警察庁が発表している「令和５年の刑法犯に関する統計資料」では、戸建て住宅における空き巣の侵入口と件数は以下のようになっています。

侵入口	件数
表出入口	1,299
非常口	5
その他の出入り口	952
窓	4,803
その他	131
合計（認知件数）	7,981

この統計を見ると、玄関ドア（表出入口）からの侵入は1,299件となっており、全体の約16%です。これは窓からの侵入に次ぐ2位になります。これらのことから玄関ドアは狙われやすい場所ということがわかります。

玄関ドアの防犯対策をおこなっていれば被害を防げる可能性が高まるので、対策が必要だといえるでしょう。

空き巣が侵入を諦めるまでの時間

空き巣はできるだけ短時間で犯行を実施することを考えているため、侵入に時間がかかる家を選ばない傾向にあります。時間がかかってしまうと、犯行が目撃されてしまったり、通報されて捕まったりするリスクが高くなるためです。鍵開けに5分以上で約7割、10分以上で約9割が侵入を諦めるというデータがあります。空き巣の被害に遭いにくい家を作りたいと思ったときには、「侵入者が家に侵入するまでの時間を少しでも長くする工夫」を考えると良いでしょう。

空き巣に狙われやすい家の特徴

被害にはしっかりと備えたいですが、ターゲットにされやすい家には特徴があります。まずはターゲットにされやすい特徴を理解して、対策を立てることが安全安心な暮らしを考える第一歩です。ここからは狙われやすい家の特徴を4つ解説します。

玄関前の見通しが悪い

玄関前の見通しが悪いと、道路から見えづらく侵入経路になりやすいです。居住者や近隣住民の死角になるので、狙われる可能性も高くなってしまいます。また、庭木や高い塀などは視界を遮ってしまうため、人目を気にせずに鍵の解錠や破壊をおこなえる環境になってしまいます。

古い鍵が設置されている

戸建を建てた時からずっと同じ鍵をつけている場合は、鍵が古くなっているおそれがあります。

鍵を不正に解錠する技術はどんどん発展してきていますが、それに対抗するように鍵も最新の技術を使って防犯性の高いものがでてきています。そのため、古い鍵は簡単に開けられてしまうおそれがあり、空き巣をする場合も時間をかけずに侵入されるでしょう。

劣化による故障が起きていなくても、防犯性を高めるために古い鍵は交換した方が良いでしょう。

留守だとわかる

洗濯物が干したまま、ポストに郵便物が溜まったままだと、「不在のことが多い」と判断され、ターゲットになりやすいです。また、家周辺が荒れている状態だと、「あまり家の周辺に目が行き届いていない」ということが露見し、空き巣に情報を与えてしまうことになります。本当に留守の場合は仕方ないですが、できるだけ家の周辺を常に整理整頓することを心がけたほうがよいです。

防犯カメラなどの設備がない

防犯カメラなどの設備がない家は、「防犯意識が低い」と判断されてしまいます。どうしても自宅の死角部分は発生してしまうので、防犯カメラなどの設備は整えた方が良いでしょう。犯罪の抑止効果があるため、効果的な対策になります。

空き巣に有効な防犯対策

空き巣は侵入しやすい家を見逃しません。「自宅の現状を考えると、ターゲットにされやすいかも」と思ったらすぐに対策をおこなうことが大切です。ここからは有効な防犯対策を紹介します。

■二重鍵の設置

■家の周囲に死角を作らない

■防犯用の砂利を敷く

■センサーライトや防犯カメラの設置

■ホームセキュリティを導入する

二重鍵の設置

二重鍵とは、1つのドアに2つ鍵をかけることです。「ダブルロック」と呼ばれることもあります。

通常建物のドアは、1つのドアにつき最低一つの鍵が付いています。しかし最近では、一般家庭の防犯用としてもダブルロックが推奨されるようになり、今では警察や国土交通省なども推奨するほどになっています。玄関に鍵が2個付いていれば時間がかかってしまうと見ただけで分かり、犯罪を抑止することができるでしょう。

家の周囲に死角を作らない

玄関前の見通しが悪いと死角が多く、侵入経路になりやすくなります。また、庭木や高い塀などは視界を遮ってしまうため、おすすめしません。

もし庭木が高くなってしまっている場合はこまめに剪定をして、生い茂らない工夫をしましょう。また、塀は高いものではなく、低いものがおすすめです。ご近所さんから見えてしまうのが気になる場合は、スリットタイプの塀などもあります。

防犯用の砂利を敷く

砂利の上を歩くと音が鳴るため、家のまわりに敷くと防犯効果があります。玄関や庭の他、死角となりやすい場所に防犯砂利を敷いておくことで、一定の防犯効果を期待できるでしょう。砂利には複数種類がありますが、空き巣対策には音が出やすい「防犯用砂利」がおすすめです。

センサーライトや防犯カメラの設置

センサーライトや防犯カメラの設置も効果的です。

防犯カメラがあれば、侵入を試みている空き巣も「見られているかもしれない」という意識を持ち、侵入を諦める可能性が高いです。もし、万が一被害に遭ったとしても、防犯カメラが作動していれば証拠となる映像を捉えることができているかもしれません。証拠によって犯人逮捕に至れば、盗まれたものが返ってくる可能性があります。

また。空き巣は人目につかない場所を狙うため、夜に明かりがなく暗い玄関も狙われやすくなります。そのような場合はセンサー付きライトがおすすめです。人が近づくと感知して電気がつくため無駄もなく、防犯にもつながります。侵入者を検知する防犯センサーや人感センサーなども合わせて活用するとより防犯性が高められるでしょう。

ホームセキュリティを導入する

他の対策に比べるとコストはかかってしまいますが、ホームセキュリティを導入するとかなり高い防犯性を期待できます。代表的な会社は「SECOM（セコム）」「ALSOK（アルソック）」「セントラル警備保障（CSP）」などです。

会社によって、家族以外が家に入るとアラームが鳴る、異常があれば警備員が駆けつけるなど、さまざまなサービスがあります。

おすすめは防犯性の高い鍵の設置

ここまで空き巣に有効な防犯対策を紹介しましたが、もっともおすすめなのは「防犯性の高い鍵へ交換」することです。

先ほども触れましたが、空き巣はできるだけ短時間で犯行を実施することを考えているため、侵入に時間がかかる家を選ばない傾向にあります。時間がかかってしまうと、犯行が目撃されてしまったり、通報されて捕まったりするリスクが高くなるためです。そのため、防犯性の高い鍵に交換すればそれだけ犯行をしにくくなるということですので、犯行を諦める確率も高まるでしょう。

鍵にはさまざまな種類がありますが、おすすめの防犯性の高いものは、ディンプルキーやキーレス式の鍵(暗証番号錠や生体認証錠)です。

鍵交換を業者に依頼した際の料金相場

鍵の交換を業者に依頼する際には、かかる料金の相場を把握しておくのがおすすめです。料金の相場を把握していなければ、提示された金額が高いのか安いのか判断することが難しいためです。ただし、対応する作業の難易度によって内容も変わり、料金も変わることは理解しておきましょう。

交換内容	相場料金
ピンシリンダー錠	15,000円～25,000円
ディンプルシリンダー錠	30,000円～50,000円
電子錠	30,000円～150,000円

※出張料金含む

鍵交換は『鍵のナンバーワンロック24』がおすすめの理由

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自分の防犯意識を高めることも重要

空き巣の被害に遭わないためには自分の心構えや意識を高めておくことも重要です。以下のようなポイントをおさえて、防犯意識を高めましょう。

■常に施錠する意識を持つ

■訪問者はドアスコープやインターホン越しで確認する

■日頃から家周辺を整理整頓しておく

■近所との付き合いも深めておく

常に施錠する意識を持つ

基本的なことではありますが、常に施錠する意識を持ちましょう。「当たり前のことではないか」と思われる方も多いかもしれませんが、「ゴミ出しだけだから」という理由で施錠せずに出かけてしまう人は意外と多いです。ゴミ出し場が目の前であればいいですが、歩いて数分かかる場合はその短時間でも侵入されてしまうおそれがあります。その短時間で何か盗むなどは難しいかもしれませんが、合鍵を盗まれてしまうと複製されてしまい、また別の日に複製した鍵で侵入されるおそれがあります。短時間であっても常に施錠する意識は持ちましょう。

訪問者はドアスコープやインターホン越しで確認する

自宅への訪問者は、まずドアスコープやインターホン越しで確認するようにしましょう。最近は空き巣よりも凶悪な強盗のような犯罪も増えています。「闇バイト」によって複数人で特定の家に無理やり入って強盗をしたといったニュースをよく耳にします。不用意にドアを開けて強盗に襲われた場合、急なことで対処ができないことが多いです。まずドアスコープやインターホン越しなどで確認し、安全であることを把握してからドアを開けましょう。

日頃から家周辺を整理整頓しておく

家周辺や庭が整理整頓されていると、「しっかりした人が住んでいる」といった印象を与え、空き巣に敬遠される可能性があります。玄関まわりが荒れていたり、庭が乱雑になっていたりしている家は、「あまり家の周辺に目が行き届いていない」と判断され、防犯意識も低いという印象を与えてしまいます。日頃から家周辺は整理整頓しておきましょう。

近所との付き合いも深めておく

日頃から近所との付き合いを深めておくと、家になにかあった時に連絡をもらえたり、知らない人が家に入ろうとしていたら声をかけてもらえたりなどのメリットがあります。空き巣が近所の人に声をかけられ、侵入を諦めたケースもあります。

まとめ

本記事では、空き巣に狙われやすい家の特徴や有効な防犯対策、おすすめの防犯対策について解説しました。「自分の家は大丈夫」と思っていても、少しの気の緩みや何気ない自宅の環境が空き巣の被害のきっかけになってしまうおそれがあります。被害に遭わないためには、防犯意識を高め、住まいの防犯対策を更に強化していくことが求められます。

「なにか防犯対策をしておきたい」という方は鍵の交換がおすすめです。防犯性の高い鍵に交換すれば犯行をしにくくなるということですので、空き巣が犯行を諦める確率も高まります。

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